日本人が歯を失う一番の原因は「歯周病」です。
では、歯周病にならないためには、口の中をいつも綺麗にしておけばいいのか?と言えばそれだけでは、予防することは、できません。
お口の中に歯周病菌が存在しないのに、歯を失ってしまったという患者さまは少なくはありません。
将来歯を失わないためには、
(1)細菌
(2)噛み合わせ
この2つの角度から予防をスタートしなければなりません。
確実なメインテナンスを行なっていけば、高齢になっても十分ご自分の歯を維持することができます。
この確実なメインテナンスが、「将来、自分の歯で食べられる」に繋がっていくのです。
私はまだ若いから大丈夫!関係ないわ・・・という方も多いかと思います。
おじいちゃん、おばあちゃんの話よね、とお感じになられている方も多いでしょう。
しかし、歯を失う大きな原因となる歯周病には年齢は関係ありません。
20代でも重度の歯周病の患者さんはたくさんいらっしゃいますし、80代でも歯周病になっていない患者さんもいらっしゃいます。
ちなみに私共の医院には30代40代で多くの歯を失ってしまった、という患者さんは決して少なくはありません。
「まさかこんなに若い時期にこんなことになるとは想像もしていなかった」
「噛めない、ということが、こんなにも苦しいものだとは思いもしなかった」
とおっしゃられます。
歯は、まだその存在がある時には決して意識することはできません。
失った時はじめてその存在のありがたさに気が付くのです。
私はまだ実際に自分の歯を失ってはいませんので正直その本当におつらい気持ちを100%理解することはできません。
しかし、私の目の前で落胆してお悩みを打ち明けられる患者さんと向き合っていく中で、その発せられる言葉の重みを日々感じています。
本当につらい思いをしているからこそ出てくるその言葉の数々は、すべて私の胸に届きます。だから、強く思うのです。
どうにかしてその苦しみを取り除いて差し上げたい、と。
どうにかして、そうなる前に「歯を失わないための知識」をお伝えしておきたい、と。
私共吉本歯科医院の歯の予防に対する考えは、一般的に考えられている「歯の予防」とは全く概念が違います。
もし、今までの「歯の予防」の概念が正しければ、私達日本人は中年以降になってここまで歯を失うことはなかったと思うのです。
歯の予防とうたわれてはいても、50代、60代になってドミノ倒しのようにご自分の歯がダメになっていく方は減ることはありません。
従来の考え方でやり続けてうまくいかなかったのであれば、それはその方法が間違っていた可能性を新しく考える必要があります。
間違ったことを同じように繰り返していても、決して目標とする最終地点にたどり着くことはできません。
たとえば、肥満で悩んでいるとして、その肥満状態から抜け出そうと思ったなら、まずはその「肥満になってしまう仕組み」をきちんと頭で理解しないことには、苦労してダイエットしてもまた同じような肥満状態に戻ってしまいます。
それとまったく同じで、お口の中のことで悩んでいるからには、何が原因で、どうすれば歯周病や虫歯になってしまうという「悪くなる仕組み」をきちんとご理解いただかなければなりません。
日本人が歯を失う一番の原因は、歯周病です。
歯周病は歯を支える骨を溶かしてしまう骨の病気です。
その骨の病気になる原因は大きく2つです。
(1)口の中に存在する細菌が原因のもの
(2)噛み合わせの悪さから起こる破壊的な力が原因によるもの
この2つを頭に入れて覚えていて下さるだけで、将来あなたが歯を失う可能性はぐっと少なくなるのです。
通常の現在の日本で行なわれている歯の予防治療とは、多くが(1)の口の中に存在する細菌が原因のものに対してアプローチをするものです。
歯石の除去であったり、定期的にお口の中のお掃除をすることであったり、ブラッシング歯磨きの指導であったりします。
しかし、歯周病の原因は、2つあるのです。
(1)ばかりにアプローチしても(2)の噛み合わせが悪いことから起こる破壊的な力にはアプローチをしていないのです。
強い力がかかることによって、歯を支える骨は溶けます。
それを骨吸収と専門用語で言います。
そのことをご存知の方は実はほとんどいらっしゃいません。
どんなにお口の中をきれいに掃除して細菌を減らし続けたとしても、毎回毎回3度の食事の際に、噛み合う破壊的な力によって、また、毎晩寝ている時にしている「歯ぎしり」によってどんどんどんどん骨は溶け続けていくわけです。
噛み合わせを専門としている私の意見としては、(1)と同様(2)に対しても多くアプローチをするべきなのです。
破壊的な力を阻止せずして、骨が溶けることを予防することはできないのです。
実際に吉本歯科医院で行われている「歯の予防治療・メインテナンス」をご紹介していこうと思います。
実際に患者さんをご紹介します。
上原さんは、20代の頃から歯に対しては非常に高い意識をお持ちの方、です。
「歯は放っておくとボロボロになってしまうんだ」ということを身近な家族の体験をそばで見ていて「これはきちんとしないと大変なことになってしまう」とご自分で気が付かれたそうです。
残念ながら多くの方が、『歯を失ってしまってから』または『もう手遅れ』という状態になってからあわてて「歯をきちんとしなくては」と考えはじめます。
しかし、その時ではもう既に遅いのです。
歯を失ってしまってから、手遅れになってしまってからではあなたが背負わなければならないリスクがあります。
それは以下の3つです。
(1)痛い治療(肉体的精神的苦痛)
(2)高額な治療費(お金)
(3)長期にわたる苦痛な治療期間(時間)
これは歯に限らず、体に置き換えても同じこと、です。
いざ、大きな病気になって診断された段階になると(1)~(3)のリスクを誰もが背負わなくてはならなくなってしまうのです。
突然、当たり前であった生活が送れなくなります。
そういう意味で、こういった「若い頃からきちんとメインテナンスしていかなくては」と強い意識をもう既にご自身の生きる姿勢の中にインプットされていらっしゃる方は、何も意識をしていない人と10年後、20年後、さらに言えば30年後には大きな差が出てきていることは、もう間違いありません。
歳を重ねるごとに、若い頃から習慣化してきたことの「差」が大きく顕著になって出てまいります。
吉本歯科医院ではまずは、骨の状態を確認するためにパノラマレントゲンというお口全体が見える写真を撮影します。
デジタルレントゲンですので撮影したものをすぐに患者さんに見ていただくことができます。
昔は撮影していたフイルムをいちいち現像機にかけて現像していたのですが、便利になったものです(笑)
歯科のレントゲン写真は
(1)硬いものが白く見える
(2)硬くないもの(穴が空いている、骨が溶けている、神経血管の通り道など)は黒く見える
(3)左右ほぼ対称的である
口の中でかたいものとは、なんでしょう?
歯、骨、金属の詰め物です。
硬くないものとは、バイキンによって溶かされた歯や骨、歯の根っこの中にある神経、血管の通り道です。
このレントゲン写真から見えてくること、わかることは、たくさん、あります。
「私は虫歯になりにくいから大丈夫」と長年思い込んでいた方が、レントゲン写真を撮影してみると歯周病が進行していて、歯を支える骨がかなり溶けてなくなっていた、ということはよく、あります。
また、「どうも若い頃に比べて前歯が崩れてきたのよね。ガタガタに…」という方のレントゲン写真を撮影してみると、なんと親知らずが埋まったまま手前の歯を押し続けていた。
これが原因だった、ということもわかってしまうのです。
「親知らず」を抜かずに放置しておくことで健全な歯をどんどん動かし全体の歯並びを悪くしてくるということは吉本歯科医院の「親知らず」をご参照下さい。(
http://www.8181118.com/oyashirazu/)
このように大きなレントゲンを撮影してみることで実際にお口を開けて「はい、あーんして」と肉眼で見えているだけの状態では見えない水面下の部分が見えてきます。
ですので私の医院では、最初に大きなパノラマレントゲンを撮影します。
そのレントゲン写真と、私吉本彰夫の診断により、噛み合わせの悪さから起こる破壊的な力がどれほどかかっているかを判断します。
この時点で、今、どのような状況なのか?
将来、何が起こるのか?
また、今後どのような対策をたてれば、歯を支える骨が溶けることを防いでいくことができるのかをご説明することができます。
この部分が先ほど申し上げました歯周病の原因2つ
(1)口の中に存在する細菌が原因のもの
(2)噛み合わせの悪さから起こる破壊的な力が原因によるもの
の(1)と(2)、特に(2)にアプローチする部分です。
必要であれば治療もお勧めすることも、あります。
次に、お口の中から少し歯垢を採取します。
まさか、あんなに歯みがきをしてきたのに、こんなに元気で活発な「細菌くん」達がご自分の口の中でウヨウヨと生きているとは夢にも思わなかったそうです。
ほとんどの患者さんが、このご自身の口の中から採取した元気な細菌を直視した瞬間に、「ええ!!!!?????」と大声をあげられます(笑)
お口の中には何十億何百億というバイ菌が存在しています。
もちろん必要不可欠な良い菌だってたくさん存在しています。
そして次に歯周病の原因2つ
(1)口の中に存在する細菌が原因のもの
(2)噛み合わせの悪さから起こる破壊的な力が原因によるもの
の(1)にアプローチする部分です。
この(1)にアプローチするのが国家資格を持った歯科衛生士という存在です。
歯科衛生士の仕事とは、歯科医師のアシスタントをする存在とか、歯のお掃除をする存在と思われている方が多いかと思います。
しかし、歯科衛生士の本当の仕事は関わった患者さんの歯を守るプロです。
さらに言うならば、歯を支えている骨がいかに溶けてしまわないようにメインテナンスをしていくか、なのです。
少なくとも私の医院ではそう考えています。
そのためのプロフェッショナルな存在なのです。
「へえ、歯科衛生士さんって、そんな仕事なんだ~」、とご理解下されば私達もとても嬉しいです。
そのためには知識だって必要です。
そして技術だって必要です。
どの世界でも、専門家とはそういう存在ですよね。
進化し続ける歯科衛生士の存在があってこそ、多くの患者さんの歯を守れるんだと私は思っています。
予防の専門家である当院の歯科衛生士には、むしろ私よりも多くの相談が患者さんから寄せられます。
最終的に細やかにあなたの歯のメンテナンスを行ない続けるのはこの歯科衛生士の存在です。
どんな歯科衛生士と出会うかで、患者さんの歯の寿命は大きく変わります。
では、一体どんなことをして予防治療を行うのか?
ご紹介していきます。
こんな器具を使って歯の予防治療を行っていきます。
次に、歯の染出し、です。
これは専用の液を歯に塗ることで、磨き残しのバイキンがどこにくっついているかが見えるものです。
歯茎の隙間や、歯と歯との境目などにバイキンは意外にも詰まっているものです。
そしてここにご注目!
ご覧下さい。
フロスが歯茎の中にまですっぽり入り込んでいますよね?
上原さんはまだお若く歯茎も痩せていないのでこの程度ですが、もう少し歯茎が痩せている方であればフロスが見えなくなるほど、すっぽり歯茎の奥深く入り込みます。
そして歯に添ってフロスを動かすと、想像以上の汚れが溜まっているのです!
青ノリやら、ネギやらが出てくる方もたくさんいらっしゃいます(^^:)
ここは盲点ですので、気をつけて欲しいポイントです。
歯科衛生士にフロスを通された瞬間にその様子を手鏡で見ていた患者さんがのけぞりそうになるほどびっくりされるのもこのフロスでのばい菌除去です。
ご家庭でフロスをされている方も多くいらっしゃいますが、歯茎の奥まできちんと通していらっしゃる方は実はそうそういません。
さあ、どんどん進みます。
音波ブラシを当てただけでも、かなりのバイ菌が取り除かれました。
同じだけのバイキンを手用の歯ブラシで除去しようと思えば1時間はかかるところが、音波ブラシを正しく使用すれば10分でも効果があります。
2分で一旦電源が切れます。
2分では不十分です。
文明の利器です。
いいものはどんどん取り入れるべきだと思うので、ぜひみなさんも習慣になさって下さいね。
音波ブラシでもいろいろありますが、当院ではソニッケアをおすすめしております。
その理由は、ソニッケアは毎分約31,000回の超高速振動と水流での振動が大きいため、歯と歯茎の境目に歯ブラシを当てることにより、歯周ポケットに空気を送り込んで嫌気性菌を死なせることができるのです。
三越でも、電気屋さんでも、アマゾンでも売っています(笑)
もちろん当院でも取り扱っています。
ただし、きちんと指導を受けられるお店で購入して下さいね(^^:)
ご購入いただけたら、それで終わりではなく、正しい使い方をお伝えいたします。
ほとんどの方は自己流でお使いいただいている方が多いのです。
道具は正しくお使いいただくことでその効果があらわれてきます。
持っているだけで実際に磨けていなくては意味がありませんので・・・。
音波ブラシで表面の汚れを取り除いたところで、ここからは本格的に器具を使っていきましょう。
研磨剤を歯に塗ります。
この研磨剤は粒子の粗くないものを使います。
粒子が粗いものを使用すると大事なエナメル質が削れてしまいますので歯みがき粉はくれぐれも気をつけてくださいね。
さあ、仕上げに入りました。
リナメルという歯の表面の傷に修復剤を塗り、ラバーカップという器具を使って歯の表面を磨いていきます。
このリナメルはとても大切です。
歯の表面の傷を修復して汚れをつきにくくしていきます。
車でいえばワックスするのと同じです。
歯の表面がツルツルだと汚れがつきにくく汚れが取れやすくなるのです。
車マニアの方ならご理解頂けるかと思います。(^^)
歯茎は粘膜です。
粘膜を刺激しつつマッサージをすることにより、唾液の分泌が盛んになります。
血行も良くなって栄養が行き渡ります。
滞っていた唾液腺の流れがスムーズになります。
この歯の予防治療、所要時間は約50分です。
いかがでしたでしょうか?
吉本歯科医院では、常にこのような予防治療をお越しになる患者さんに向けて行っております。
ポイントは日本人が歯を失う一番の原因、歯周病の2つの原因に同時にアプローチするということです。
歯周病は歯を支える骨を溶かしてしまう骨の病気です。
その骨の病気になる原因は2つです。
(1)口の中に存在する細菌が原因のもの
(2)噛み合わせの悪さから起こる破壊的な力が原因によるもの
この2つを同時にアプローチすることにより、将来あなたが歯を失うリスクは相当減ることになります。
私達は、日々生活をしています。
つまり、生きているわけです。
生きているので毎日食事をし、栄養を体に取り込んでいます。
細胞も常に生まれ変わっています。
同時に、歯も一生動き続けます。
歯は一生動かないと思っている方はまだまだ多いのですが、どうぞ知って下さいね。
歯はほんのわずかずつですが死ぬまで動き続けるのです。
つまり、噛み合わせは、一度固定しても、生涯「変わり続けるもの」と認識して下さい。
ですので、死ぬまでメインテナンスし続ける必要が、あるのです。
ええ?死ぬまで?
とおっしゃらないで下さいね。
それは「歯」だけの話では、ないのです。
歯はあなたの体の一部なのです。
心臓や腎臓や肝臓と同じなのです。
体は一生メインテナンスが必要ですよね?
死ぬまで。
それと全く同じなのです。
両手両足と同じように歯も大事なものなのです。
あなたのお口の中には、通常であれば28本の歯があるはずです。
しかし、28本あるから、1本くらいなくなっていいじゃないか?とお思いにならないで下さい。
→歯は28本、で全体のバランスを取っています。
つまり28人のチームなのです。
奥歯くん、前歯くん、それぞれ役目役割が違うのです。一本たりとも同じ形の歯はないのです。
28本すべて形大きさが違います。機能役目役割が違うのです。
誰か一人かけたなら、その負担を残りの人数がかばわなくては、ならない仕組みになっているのです。残念ながらかばいきれないのです。
神様は私達人間をそれはもう「お見事」なまでに、お作りになっています。
無駄なものは何一つない、のです。
どの歯もあなたに必要な存在なのです。
これだけの長寿社会日本になれば、誰しも、ご自身の「健康」に関しては多少なりとも不安を抱えているかと思います。
何か健康のために、特別なことをしている、という方も少なくはありません。
老後、という言葉が50年前と同じように使われていますが、昭和の時代であれば40代「中年」、50代は「初老」という言葉を使っても、誰も違和感を覚えることはなかったと思うのです。
しかし、今はどうでしょう?40代や、50代では、まだまだ体力もあり、見た目も男女ともに若々しく、おしゃれに現役で活躍している人がほとんど、です。
また、65 歳~69 歳と言えば、現役世代の少し上の世代になりますが、杖をついて歩いている人などほとんどいません。
90歳でも、畑仕事をして自転車にのって、元気に生活している方もいらっしゃいます。 平均寿命が男女ともに延びました。
命の寿命は延びましたが、歯の寿命は平均して50年ほどしかもともと、ないのです。
歯の寿命は短いままなのに、命の寿命だけがぐんと伸びてしまったのです。
しかし、元気でいきいきと長寿を全うできるのであればいいですが、そうでなければ身体の衰えとともに、精神までも衰え、心がしぼんでいってしまうのではないでしょうか。
やる気や元気、生きる気力といった心の問題と、身体が健康であるという問題 心の問題と体の問題は切り離して考えることは無理なのです。
体のどこかが故障してくると、その影響は全身へと向かっていきます。
そして、故障が続くと、「体調が悪い」となります。
「体調が悪い」となると、「なんとなく気分が悪い、すぐれない」という心模様になってしまいます。
全ては繋がっています。
新しい電気製品を買った時、通常はまず「取り扱い説明書」を読みますよね?
どうすればきちんと使えるのか?
不具合が出たらどうしたらいいのか?
説明書には書いていますよね?
しかし、私達人間の体には「取り扱い説明書」はありません。
自分の健康は自分で考えてよね、というのが実際ではないでしょうか?
今でこそ、「予防」、という概念が少しずつ浸透しつつあります。
しかし、もともと日本の医療制度では、予防医学に対してまではほとんどお金を出さない出せないという国の考えが、あります。
最近は財政がより厳しくなってきているので、今後も日本では、「歯の予防医療」という行為に対しては、保険が適応されることはまず難しいと考えられます。
国がお膳立てして何から何まで「あなたの健康をお守りします」という保険制度ではない、ということをまずはお知り下さい。
そして、きちんと現実を知った上で、「では、私はどうするか?」ということを冷静に、そして的確に考えていけばいいのです。
女性であればお肌のアンチエイジングは非常に興味のあるテーマかと思います。
しかし、お口のアンチエイジングというところにはそこまでの意識はないのが現状です。
それはなぜか?
知らないから、なのです。
お口の状態がどれほど、女性が一番気にしている「顔の印象」を決めているかというとこを。
「あの人、きれいね。」
「あの人、本当に若く見えるよね。」
「あの人、品があるよね。」
そんな第一印象と言われるものが、あります。
第一印象といえば、見た目には「目」や「お肌」をイメージされる方がほとんどかと思います。
しかし、意外に知られていないのが、口元なのです。
それも歯が黄ばんでいる、といった色の問題だけでは、ありません。
口の横にくっきり入ったほうれい線、二重あご、顔のたるみなど、目やお肌以前の顔の印象を決めてしまうのです。
女性は特にフェイスラインがたるんできたら、「老けて見える」と言われています。
だから必死で、たるみをあげようとマッサージをしてみたり、リフトアップを試みたりしますが過度な刺激は、その反動を起こすという原理から考えますと、一瞬は持ち上がってもその反動で肌がさらに垂れ下がってしまう、ということが起こります。
肩こりがひどいので強い力のマッサージをしてもらったら、翌日には揉みかえしがひどくなり、さらに肩のコリがきつくなっていた、という体験はありませんか?
それと全く同じです。
さあ、ここで、あなたのお口の中をチェックしてみましょう。
これは全てお口のアンチエイジングのサインです。
チェックが多い方は要注意です。
お肌の曲がり角は20歳、と言われていますが、実は歯も全く同じなのです。
20代、30代は、少しずつ少しずつ崩れて毎日の変化に気がつかないだけで、「老け口」が目に見えて他人の目にも見えてくるようになるのは40歳後半から、50代です。
歯並びが崩れてきたり、歯茎が痩せて下に下がってきたために歯が長く見えたりします。
また、意外に知られていないのが、度重なる奥歯の虫歯治療によって、噛み合わせの高さが低くなってしまった、というケースです。
噛み合わせの高さが低くなるということは、表面上にはどう見えるのかと申しますと、顔の皮膚がクシャッと縮んだ顔貌(顔つき)になってしまう、ということです。
お肌、つまり顔の皮膚は骨にくっついているものなので、当然そうなります。
顔の皮膚がクシュっと縮むと、顔立ちが変わります。
顕著にわかるのは、横顔の印象が変わってしまいます。
『若い頃はもっときれいな口元だったのに』と相談に訪れる患者さんは少なくはありません。
これらは、「噛み合わせ」が悪いことにより起こってしまった顔の印象の変化です。
口元や皮膚のたるみ、しわといったいわば「加齢現象」ですが、実は顔の筋肉の衰えです。
顔も筋肉なので、使わなければもちろん足腰の筋肉同様に衰えます。
本屋さんに行けば、「表情筋を鍛える」といったテーマの本がズラリ並びますが、もっとお手軽に日々表情筋を鍛えるためには、「噛み合わせを良くする」ことが一番の近道です。
なぜなら、あなたは毎日3回お食事をされますよね?
そのお食事のたびに、「噛む」という行為でもって、意識することなく勝手に表情筋トレーニングをすることができるんです。
噛み合わせが良くなれば、確実に表情筋は鍛えられますのでお肌は若返ります。
噛み合わせが悪い場合には、「自分では噛んでいるつもりでも、実際には噛めていない」ので、表情筋は動かされませんので、皮膚はどんどん衰えていきます。
噛み合わせの専門医師として日々患者さんと接していますが、実は「きちんと噛めている」という方はとても少ないのです。
今日から少し意識して他人が食事している様子を注意深く観察してみてくださいね。
食事を口に入れ噛んでいる時に、その人のコメカミ部分がきちんと動いているかどうか?頬の筋肉がきちんと動いているかどうか?顔の筋肉をきちんと動かして食事ができている人はほとんどいません。
つまり、「噛めていない」=「噛み合わせが悪い」ということなのです。
お口の中の状態を整えるということは、つまり顔の下半分を占める口まわりの印象を全て変えてしまうということに、なるのです。
噛み合わせが良くなれば、確実に表情筋は鍛えられますのでお肌は若返ります。
口の中には歯があり、その歯を虫歯や歯周病で失わないようにきれいに歯みがきをしていればいいというそんな単純な話ではない、ということを知っていただきたいのです。
歯を支える骨が溶けてなくなっていく骨の病気が歯周病です。
と、前回までにお話しました。
歯を支える骨が溶けてなくなる、ということは、必然的に、その骨にくっついている歯茎や裏打ちされている頬の筋肉まで痩せて縮んでいく、ということになるのです。
骨が溶けてなくなり、歯も失ってしまった。
にもかかわらず頬の皮膚はプリプリなんです・・・という方はまずいらっしゃいません。
皮膚だけをなんとかしようとしても、それを裏打ちして支えている歯や骨がないとしたら、それはすぐに元に戻ってしまいます。
大黒柱である骨組を立てずに、粘土だけで家を建てるようなもの、なのです。
すぐに崩れます。
理想を言えば、20代からですが、最低でも30歳を過ぎたら一度ご自身の噛み合わせをチェックされ、定期的に歯のアンチエイジングをご自身の人生の中に組み込んでいかれることを私はお勧めしています。
さて、このページをお読み頂くと、なぜ、今まで歯周病だということに気がつかなかったのか?
なぜ、歯を失ってしまうような状態にまでなってしまったのか?ということがおわかりになったかと思います。
また、一般的に想像されている「歯の予防」という概念が、「現在行われている一般的な予防の概念」では全く不十分である、ということも、少しずつご理解頂けたかと思います。
お一人でも多くの方が、歯を失う仕組みを正しくご理解いただき、ご自身の歯を失わないようにお口に意識を向けていただければと思います。
毎回毎回ひょっとしたら「もう、くどい!!」と思われるほど、歯を失ってしまったらどんな様子になるのか?ということをお伝えしています。
それはなぜか?なぜそんなにしつこく私達が訴え続けるのか?それは、今こうしている間にも、やはり私どもには毎日のようにつらいお悩みを抱えた患者さんがたくさんお越しになられます。
どこに行ってもどうにもならないどうにかしてこの苦しみから解放されたいということをおっしゃられます。
歯を失い、入れ歯を使うようになると、日々の生活の全てが変わってしまったとおっしゃられるようになる方もいらっしゃいます。
そんな大袈裟な、と思われるかもしれません。
しかし、それは、まだあなたに歯が十分にあるから、なのです。
大好きなおうどんだって、まともに食べる事ができなくなった入れ歯にした途端に食欲が一切なくなってしまった歯がなくなったので毎日のように舌を噛むようになってしまたこのようなお悩みを訴えられます。
歯を失う時は、実は一気にやってきます。
1本、1本、順番にダメになってくれるわけでは、ありません。
ある日突然、歯がグラッとしてきた、という時には、その水面下では数本を支える骨が溶け始めている可能性が高いのです。
歯はドミノ倒しのように見事に崩れていきます。
それは老化現象だからしょうがない、と思われている方もいらっしゃいます。
しかし、その原因は老化だけでは、ありません。
しっかりとしたメインテナンスを行った方と、そうでない方の違いなのです。
下記は、歯のメインテナンスを行なった方とそうでない方の違いを表わした図です。
40代くらいまでは、表面上はそこまでの差は出ていません。
ただし、表面的なものだけです。
20代から40代くらいまで、虫歯になってはその都度歯医者さんに行き、悪い部分を削って詰めて、という一般的な虫歯治療を繰り返します。
その行為そのものが、ご自身の歯をどんどん失わせている、ということに何も気がつかないまま、時は過ぎていきます。
そうしてだいたい、40代後半あたりからだんだんと故障が始まりだすのです。
その場しのぎの虫歯治療をしてきたことが、「もはや限界!」と声を上げ始めます。
厚生労働省の調べによると、日本人の平均寿命は男性で約78歳、女性で約85歳です。
一方、歯の平均寿命は大体50~70歳です。
日本人の大半が50歳頃からどんどん歯を失い始めます。
しかも、50歳を過ぎると歯を失うスピードは一気に加速します。
人によっては何十年も「歯なし」で暮らさなければなりません。
こんな事実をご存知でしょうか?
日本だけでなく、世界中で今行われている歯医者さんの治療の7割が、あなたが以前に治療した部分の再治療だということを。
つまり、過去に治療した歯の再治療、ということを。
「歯が痛い」「歯がしみる」「かぶせ物が取れた」「歯が抜けそう」
などあなたが患者さんとなって歯医者さんに駆け込む理由のほとんどは、過去にあなたが受けた歯科治療になんらかの問題があって起こっている、という事実を、ほとんどの方はご存知はありません。
「何度も同じところが虫歯になる」のは、あなたが毎日の歯みがきを怠ったせいなのでしょうか?いいえ、そうなってしまう原因はそれだけではないのです。
そうなってしまう原因は今の歯科医療の保険制度にも大きな問題があります。
また、従来型の「悪いところを削って詰める」という対症療法、つまり、「何か起こった部分だけを表面的に解決する」というスタイルにも問題があります。
私達は、何かおかしいんじゃないのか?と思ってはいても、みんながそうしているから、お医者さんがすることだから、国が決めていることだから、世間がそうしているから、いう理由で深く考えず、そのままの習慣を続けるということが多々あります。
しかし、もはやその考え方では行き詰まってきているのです。
何か問題が起こるには、かならず原因があります。
前歯がいきなり前に飛び出してくるのには、必ずそうなる原因があります。
同じ部分が何度も虫歯になるのには、必ずそうなる原因があります。
かぶせ物が何度もはずれるのには、必ずそうなる原因があるのです。
「原因(なぜそうなってしまったのか?)にアプローチすることなく、結果として起こった問題に対処する」スタイルの治療はもう終わりにしなくてはなりません。
確実なメインテナンスを行なっていけば、高齢になっても十分ご自分の歯を維持することができます。
この確実なメインテナンスが、「歯周病にならないためにどうするのか?」に繋がってまいります。
また歯周病は年齢には関係ありません。
20代でも重度の歯周病の患者さんはたくさんいらっしゃいますし、80代でも歯周病になっていない患者さんもいらっしゃいます。
歯のメインテナンスをご自分の人生の中にしっかりと組み込んでこられた方と、そうでない方の違いは、人生後半になって顕著に現れてきます。
まだまだ地方には「定期的に歯の予防のためのメインテナンスを行なう」という意識の方は少数でしたが、ここ2~3年で明らかに人の意識は変化しつつあります。
「虫歯や歯周病にならないために月に一回必ず通いたい」という方が増え始めてきました。
これは本当に嬉しいことです。
歯に対する意識が高い方は総じてご自身のお体に対しての意識も高い方が多く、ご自分で健康管理をきっちりされていらっしゃる方です。
体が全ての資本である。
ということを心底実感している方ほど、その意識は高いです。
体はその部分のどこか故障しても全体に影響が出ます。
歯もまったく同じです。
奥歯の一本に違和感があっただけで、体全体にまで不快症状が出てきてしまいます。
たかが歯と思っていてはいけません。
私は、噛み合わせの専門として患者さんに日々お伝えしていることがあります。
それは、歯は人間の体を支えるもっとも重要な部分である、と。
最近は、女性誌などには、お口のアンチエイジングということも取り上げられるようになりました。
日本以外の先進諸国では、「歯の治療のために歯医者さんに行く」、という患者さんよりも「歯の定期メインテナンスのために歯医者さんに行く」、という意識が一般的です。
その大きな理由は、歯の治療には一切保険が効かないから、つまり全て治療費は自己負担ということも上げられます。
ひとたび虫歯になり、歯の治療をすれば、約数万、約数十万円程度の治療費がかかってしまうのが一般常識です。
だいぶ、日本人の意識とは違いますよね?しかし、日本人の歯に対する一般常識ももうまもなく大転換すると、私は考えています。
まだ経済が上り調子だった頃、「これからは国や政治家や会社は個人を守ってくれなくなる」という考え方を多くの識者が発言していました。
自分達の生活や、健康は自分でしっかりと自己責任を持って防衛していかなくてはならない、というものです。
しかし、当時はまだまだ「そうはいっても、誰かが守ってくれるはず」と大半の国民は思っていました。
こういった「自分のことは自分で責任を持って守らなければならない」という考え方は、今まさに現在その通りになっています。
厳しい考え方なのかもしれません。
しかし、そういった現実がある事実を冷静に受け止め、「では、私の体は私自身がちゃんとメインテナンスしていこう」という意識を持つだけで、漠然とした不安から、より具体的な対策が立てていけるのではないでしょうか?
今まで考えもしなかった部分に対して、ほんの少し意識を向けてみる、そのことだけで得られることが、あります。
今まで知らなかったことを、きちんと知るだけで、「では、こうすればいい」という正しい方向が見えてくることが、あります。
どうぞ、知って下さい。
歯を失わないための本当の知識を。
PMTCとは、プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング(Professional Mechanical Tooth Cleaning)の略語です。
歯科医院にいる、プロの歯科衛生士が専門の機具・機械を用いて歯垢の除去を行う治療のことです。
専門のトレーニングを受けた歯科医師・歯科衛生士が、歯の表面についた歯垢(細菌の塊)や沈着物を特殊な医療器機を使って完全に取り去った後、歯垢(細菌の塊)の再付着を防ぎ歯の質を強くするためにフッ素を塗布する流れで治療を行います。
歯の病気である、「歯周病と虫歯」の原因のひとつである歯垢を定期的に、専門のトレーニングを受けた歯科医師・歯科衛生士が取り去ることで、普段のブラッシングでは取り去れない部分を綺麗に保ちます。
PMTCは歯や歯肉のクリーニングを専門の器具を使って慎重かつ丁寧に行いますから,痛みを伴わず、とても気持ちがいいものです。その結果として歯科医院は,痛い、怖いところではなく,お口の中が爽やかになり,気持ちいいところであると実感して頂けます。
PMTCは、1971年に北欧のアクセルソン博士により提唱され、日本へは彼の片腕である歯科衛生士ニーストレン女史によって普及され、彼らの手によるPMTCの予防効果の長期的な研究は、現在も続けられています。
1960年 王立ストックホルム大学歯学部を卒業
公的医療機関にて障害者歯科・予防歯科に従事
王立イエテボリ大学歯周病学教室にてリンデ教授に師事
1978年 Ph. D取得
カールスタッド市歯科保健センター所長、歯科衛生士学校校長を兼務
予防歯科クリニックを開設
1989~1998年 イエテボリ大学歯学部予防歯科主任教授
「ミスター ・プリベンション」と呼ばれ、各国の公衆衛生に多大な影響を与え続けている。l979年、彼によって計画され、導入された予防プログラムは、6年後に3歳児の被ウ触率を80%からわずか4%へと引き下げ、現在も講演等で活躍しています。
1965年 スウェーデン ボーデン・デンタル・ナース・スクールを卒業
1972年 スウェーデン ルンド大学歯科衛生士学校を卒業
アクセルソン博士の予防歯科クリニックに勤務
歯の予防PMTC治療は、健康保険が適応できません。
現在の日本の保険の制度には「歯を積極的に予防する行為」に対しては一切保険は認められていません。
現在の保険制度は病気を治す最低限の治療という決まりがあります。
そのため歯の予防PMTC治療には「自由診療」となります。
どうぞご了承下さい。
初回 ・・・¥12,000(税別)
2回目以降・・・¥10,000(税別)
初診のご来院の患者さまにはPMTC前にカウンセラーによるカウンセリングをお受け頂きますので多少お時間を頂くことがございます。
※歯の予防PMTC治療はお口の中に虫歯、重度の歯周病などの問題が起こっていない場合にはお受け頂くことができます。
お口の中に症状がある場合は、まずはそちらの治療を優先し、治療終了後歯の予防PMTC治療へと入らせて頂きます。
はじめての方はまずは初診をお受け下さい。
「予防治療と継続的なPMTC」については、当院までお問い合わせください